放射線科このページを印刷する - 放射線科

 

放射線科の紹介

放射線科は、診断・核医学・治療の3部門で構成されています。

放射線診断は、一般撮影・CT・MRI・血管造影検査・消化管造影検査など様々な検査方法で得られた画像から病気などを診断しています。なかでもCTは320列CTを導入したことで、放射線の被ばく量や造影剤の使用量を大幅に減らすことができ、患者さんの負担が軽減しました。また、血管造影検査では心臓の検査に特化した装置を新たに導入し、その威力を発揮しています。さらに、骨塩定量の委託検査も行っています。

核医学は、放射線を発生する物質(RI:ラジオアイソトープ)を検査に用いて画像を得て診断しています。PET検査も核医学に含まれます。

放射線治療では、病変に対し高エネルギーの放射線を照射することによって治療を行っています。また、ゾーフィゴ®静注(塩化ラジウムRa-223)を用いた放射性同位元素内用療法も行っています。

患者さんの健康に少しでも貢献できることを目標に、乳房撮影・放射線治療・放射線防護・機器管理・情報管理等各種認定を取得し、有用な情報を患者さんに提供できるよう研鑽に努め、放射線技師19名、事務員2名スタッフ一丸となり地域医療に貢献していきたいと思っています。

業務内容

  • 単純X線撮影

  • CT検査(単純、造影、3D画像構築)

  • MRI検査(単純、造影、3D画像構築)

  • 血管撮影(カテーテル検査、血管内治療、3D画像構築)

  • RI検査(脳血流シンチ、心筋シンチ、骨シンチ、甲状腺シンチ等)

  • PET検査(健診含)

  • 放射線治療(治療計画、高エネルギー放射線治療、内服療法)

 

主要機器

X線一般撮影装置 3台 移動型撮影装置(ポータブル) 4台
X線透視装置 2台 外科用イメージ装置 3台
乳房撮影装置(マンモグラフィ) 1台 結石破砕装置 1台
X線CT装置 3台 歯科撮影装置(デンタル) 1台
MRI装置(1.5T・3.0T) 2台 歯科撮影装置(パノラマ) 1台
核医学診断装置(ガンマカメラ) 1台 骨密度装置 1台
核医学診断装置(PET-CT) 1台 放射線治療装置 1台
血管撮影装置 2台    

主な検査

一般撮影検査

一般撮影装置

一般撮影とは、胸部、腹部、骨といった写真を撮影する検査の事です。いわゆる「レントゲン写真」の事で、放射線科で行われている全ての検査の基礎となり、様々な病気の初期診断において欠かすことのできない検査となっています。
この検査の次に、CT、MRI、RI、血管撮影と必要に応じて各検査が進められて行きます。

また、当院ではFPD(Flat Panel Detector)とよばれる装置を導入しています。
昔のように直接フィルムにX線をあてるのではなく、画像をコンピュータに保存できる仕組みで撮影・処理を行い、各診療現場に画像を配信するシステムを取り入れています。
コンピュータの画面上で濃度の調整や拡大をしたり白黒反転など自由に変更する事が可能で、より観察しやすい画像を提供する事ができます。

 

撮影時に注意していただくこと

X線検査を受けるにあたり、注意事項をご説明します。
胸部X線写真ではX線が通る部分は黒く、通りにくい部分は白っぽく写ります。
肺になんらかの異常、炎症や腫瘍がある場合は、病変部が白く写ります。
新型コロナ感染症でよく聞くスリガラス陰影は薄い白色です。

正確に診断するために以下のことを必ず守ってください。

検査時に適さないものとして、金属やプラスチックの他、身体を締め付けるゴムや乳房を保持するインナーカップ付の下着があります。 それらの陰影がX線写真に写りこむため、金属やプラスチックが入っていなくても外していただきます。 特にインナーカップタイプの下着では、乳房が必要以上に映り込み肺が白くなります。

以上から、胸部X線検査を受ける方はブラジャー(スポーツブラも含む)、ブラトップ、キャミソールなどの下着はすべて脱ぎ、 無地の肌着やTシャツでの検査をお願いします。検査着が必要な方はお申し出ください。髪の長い方は頭頂部で結んでいただきます。 貴金属やシップ、カイロ、場合によってはプリント柄のTシャツなども再撮影の対象となります。検査部位により異なりますことご承知おきください。

尚、血糖値測定器を装着されている場合は申し出てください。

浜田医療センター 放射線科

 

骨塩定量検査

骨塩定量検査

骨塩定量検査とはX線や超音波を使用して骨の密度(骨塩量)を計測する検査です。 当院ではX線を使用する装置にて検査を行っています。測定部位は一般的に腰椎と大腿骨ですが、全身を検査することも可能です。 検査台に仰向けとなり、10分程度で終了となります。検査前の食事制限や検査中に息を止める合図はありません。ただし金属や湿布、カイロ等がある場合は外していただきます。 X線による被ばくは最大で20マイクロシーベルト程度なので、他のX線検査と比較して微量のため若い方も検査を受けていただくことができます。

 

乳房撮影(マンモグラフィ)検査

乳房撮影装置(AMULET)

マンモグラフィ検査は乳房のX線検査です。乳房は柔らかい組織でできているため、マンモグラフィという専用の装置を使用します。しこりとしてふれない初期の乳がんなども発見することができ、早期発見に大きな成果を挙げています。
上下方向から1枚、左右方向から1枚、両方の乳房を撮影する場合は合計4枚撮影します。場合によっては追加撮影を行います。 よりよい画像を撮るためには、乳房を広げて樹脂の板で挟み、均一に圧迫することが重要となります。 乳房を圧迫する際に痛みを感じることもありますが、挟んでいる時間は15秒程度です。もし、とても強く痛みを感じ耐えられないようでしたら、撮影に当たる放射線技師に申し出てください。
慣れない検査に緊張するとは思いますが、肩の力を抜いて、リラックスしてお受けください。

当院は検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師が在籍しております。女性技師による対応も可能ですので、安心してマンモグラフィ検査を受けていただくことができます。

 

X線透視撮影検査(CUREVISTA Open)

X線透視撮影検査

 

CUREVISTA_Open

X線透視撮影検査とは、X線透視撮影装置を使用して行う検査ですこの装置は、通常のX線写真では見えづらい部位に対して、造影剤を用いることで臓器の形態、 機能などをリアルタイムの映像として観察し、X線写真として撮影することができます。 検査の目的は多岐にわたり、バリウムを用いた胃・食道・大腸といった消化管の検査を中心に、ヨード系造影剤を利用した胆のう・胆管の検査・治療、 整形外科系、婦人科系、泌尿器系などでも検査または治療が行われています。

 

CT検査

Aquilion ONE Aquilion 16

当院では皆様の健康維持と病気の早期発見・治療のため、卓越した検査性能を持つ320列のマルチスライスCTと16列のマルチスライスCTの2台体制で急患や診療業務に当たっています。

この装置は脳血管、消化管、肺などをはじめ、全身の情報を高精細なエックス線画像データとしてコンピュータ処理します。そのため従来の画像処理による病気の診断を短い時間で行うことが可能になりました。
また、高度な心臓検査が可能で10秒程度の息止めと造影剤(肘からお薬を注射します)、心電図からの情報を用いて動きのある心臓の状態を撮影することが出来ます。当院では心臓検査を行う設備を有していますので、検査をご希望の方は循環器外来を受診してください。

マルチスライス2

MRI検査

MRI

MRI検査とは、強力な磁石と電磁波を使って、身体の任意断面画像を得る検査です。
CT検査と異なり、放射線を使用しないため、人体への影響がなく全身の検査が可能です。

特に脳、脊髄、血管、下腹部、四肢の検査が多く行われています。
検査時間は20~30分程度です。動きに弱い検査のため、検査中はじっとしていただく必要があります。
また、検査中は木槌で木をたたくような連続音が周囲から聞こえてきますが、ヘッドフォンや耳栓で音を和らげる工夫をしています。

MRI2

MRI装置で使われている磁場や電波は、通常人体への影響はありませんが、次に該当する方は検査を受けることが出来ない場合があります。
必ず事前にお申し出下さい。

  • 体内に脳動脈瘤クリップや人工関節などの金属が埋め込まれている方
  • 心臓人工弁の方 磁石製インプラントを装着している方
  • 以前、外科手術を受けた事がある方
  • 妊娠している、または妊娠している可能性のある方
  • 閉所恐怖症など狭いところが苦手な方

 

検査の準備について

検査の前に検査着に着替えていただきます。
検査の内容に関わらず、身に付けている金属類はすべて取り外してください。
また次の物は、検査室に持ち込めません。

時計、メガネ、ライター、ヘアピン、鍵、アクセサアリー類など 磁気カード、キャッシュカード、テレホンカード、クレジットカード、定期券など その他取り外しの出来る義歯、補聴器、カイロ、ベルト、エレキバン、金属の付いた下着、コンタクトンズ、貼り薬(ニトロダーム等)など 化粧品(アイシャドウ等)の中には、金属を含んでいる物がありますので、検査前に落としておいて下さい。

 

血管造影検査(Azurion7 B20/15)

Azurion7 B20/15

血管造影検査は当院の政策医療である「がん・循環器」を中心に、診断のみならず治療もあわせて行っています。

たとえば、悪性腫瘍に対する悪性腫瘍剤等の動注化学療法や塞栓術、外傷等の出血に対する塞栓療法、心臓に対する経皮的冠動脈拡張術及びステント留置術、脳血管障害に対する血管病変の検索及び必要に応じての血管内治療を行っています。

核医学検査(RI検査)

RI

RI検査とは、ガンマ線を放出する放射性同位元素を含んだ薬を注射または内服することにより目的の身体機能の評価を行う検査です。
代表的な検査として心筋シンチ(心筋の血行動態、代謝機能の評価)、脳血流シンチ(脳血流を評価することにより、脳梗塞、パーキンソン病、アルツハイマー型痴呆の早期発見)、唾液腺シンチ(唾液の分泌状態を画像評価)、骨シンチ(骨のカルシウム代謝の評価)、ガリウムシンチ(体全体の炎症の評価)など多種にわたります。
またガンマ線という放射線を利用しますので、次に該当する患者様は担当医師または、検査担当技師にお知らせ下さい。

  • 妊娠が予想される女性
  • 授乳中の女性
  • 乳幼児のいる女性
  • これまで何かアレルギー反応が起きたことがある方

 

核医学検査(PET-CT検査)

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平成22年5月より浜田医療センターにて、島根県西部地区では始めてPET-CTの検査を開始しました。
これによりがんを早期に診断することが可能となりました。

PET検査とは

PET(ペット:Positron Emission Tomography)とは「陽電子放射断層撮像法」のことで、陽電子の体内分布を画像化する技術のことです。

がん細胞は正常な細胞に比べて非常に多くのブドウ糖を消費します。PET検査はこの性質を利用しブドウ糖に似た検査薬(FDG)を注射し、その集まり具合を検出して診断します。

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  • いろいろな種類の悪性腫瘍が検出できますので、がんのスクリーニングに適しています。
  • 短い検査時間で一度にほぼ全身のがん検査ができます。(予想外の部位のがん発見、転移も診断できます。)
  • 腫瘍の良性・悪性の鑑別、がんの進行度の診断ができます。
  • ブドウ糖に似た検査薬なので副作用の心配がありません。1回に受ける被ばく量はおよそ胃の透視検査(バリウム検査)とほぼ同じです。

 

当センターのPET-CT装置の特徴

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当センターでは最新鋭の高感度・高分解能の検出器を備えたPETと、40列マルチスライスCTを融合した機種(ドイツ・シーメンス社製Biograph-mCT40)を導入しました。短時間で高画質の画像を得ることができ、受診される方への負担も少なくなります。
一度のPET-CT検査を行うだけで機能情報(PET画像)と解剖学的な情報(CT画像)が得ることができるため、PET単独による検査より病巣部の位置の特定や正確な診断を速やかに行うことができます。

 

検査の流れについて

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  1. 検査4時間前より絶食が必要です。 お水は構いません。
  2. 検査前に、投与するFDGの量を決定するために体重測定、および血糖値を測定します。FDGを静脈へ注射し、体内へ行き渡るまで約1時間、安静にします。
  3. その後約20分の撮影を行い、検査後、体内のFDGの量が減少するまで30分ほど休息していただきます。

 当日の所要時間は全体で3時間~4時間です。

 

保険適用の条件

平成22年4月より適応疾患が拡大されました。

早期胃がんを除くすべてのがんについては4月よりPET検査の保険適応が拡大されることになりました。悪性腫瘍の病期診断又は転移・再発の診断はほとんど保険適応となります。ただし、該当しない場合は自由診療扱いとなり、PET-CT検査でおよそ106,000円の自己負担となります。よくご確認の上、お申し込みくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

また、同一月内にガリウムシンチグラフィが行われている場合は保険適用とはなりませんので、ご注意ください。(補足)

 

PET検査の限界

FDGは脳、心臓、腎臓・尿管・膀胱などの正常臓器に生理的に集積するため、これらの臓器の病変の評価は困難な場合があります。また、活動性の炎症や良性腫瘍にも集積する場合があり、病変の良悪性の判断が困難な場合もあります。一般には、10mm前後のがん発見も可能といわれていますが、集積の程度により検出が困難であったり、大きなものでもがんの種類によっては検出されない場合もありますので、さらに他の検査が必要になることがあります。PET-CT検査にも診断上の一定の限界が存在することをご理解ください。

PET検査が得意ながん 頭頚部がん、肺がん、乳がん、食道がん
大腸がん、子宮がん、悪性リンパ腫、悪性黒色腫など
PET検査が不得意ながん 胃がん、腎がん、尿管がん、膀胱がん
肝細胞がん、胆道がん、白血病など

 

(これらのがんが原発巣の場合、その診断は難しいのですが、転移、再発に対して有用な場合もあります。)

PET検査のご案内

検査日

毎週月曜日~金曜日 (※祝祭日・年末年始は除く)

 

検査費用

保険適用(3割負担)の場合 約30,000円(PET-CT検査のみ)
保険適用外(自費)の場合 106,000円(初診料、検査料、消費税込み)

検査を受ける際の注意

 

お申し込み方法

1.医療機関様からのご予約・お問い合わせ

所定の予約申込書に必要事項を記載のうえ、予約をお取りください。

検査予約の受付・お問い合わせ先

地域医療連携室TEL

 

2.検診(健康診断目的)のご予約

がん検診による検査を希望される患者様は、健診センターへお申し込みください。

検診のご予約・お問い合わせ先

健診センターTEL

※PET-CT検査は検査の性質上、原則として当日のキャンセルはお受けしておりません。
キャンセルの場合は前日までにご連絡ください。

医師紹介

hosyasen_yosida 吉田 弘太郎(鳥取大学医学部:昭和62年卒業)

 

平成6年:日本医学放射線学会放射線専門医
平成21年:日本核医学会PET認定医
平成21年:島根県緩和ケア指導医
平成23年:日本医学放射線学会放射線診断専門医
平成27年:日本医学放射線学会研修指導者
臨床研修指導医

所属学会

  • 日本医学放射線学会
  • 日本インターベンショナルラジオロジー学会
  • 日本緩和医療学会
  • 日本核医学会

 

No image 玉置幸久(島根大学医学部 放射線科准教授)

 

No image 園山陽子(島根大学医学部 放射線科助教)

 

No image 植敦士(島根大学医学部 放射線科助教)

 

No image 平元大貴

 

 

スタッフ紹介

  • 土江眞一郎(放射線技師長)
  • 平松太志(副技師長)