呼吸器内科このページを印刷する - 呼吸器内科

呼吸器内科の紹介

人間や動物は呼吸によって空気中の酸素を体内に取り入れており、これがうまくいかなくなると生きることはできません。呼吸は生命維持になくてはならない行為です。

呼吸器内科は肺や気管支、肺のまわりの胸膜など呼吸にかかわる臓器の病気を治療している内科です。

浜田医療センター呼吸器内科は2004年10月より県西部唯一の日本呼吸器学会認定施設として当地域の皆様に良質な呼吸器医療を提供できるよう努力しております。

 

主な疾患の診療内容

呼吸器感染症

肺の感染症を起こす病原体には細菌、ウイルスの他、抗酸菌(結核菌や非結核性抗酸菌)、真菌(かび)などがあります。病状経過の問診、診察所見、血液検査、痰の検査、胸部X線写真やCTの所見、必要に応じて気管支鏡検査を行い、どのような原因による肺炎なのかを推測して治療を行います。

浜田医療センターでは様々な病原体による肺炎のほか抗酸菌感染症、肺真菌症などの患者様も多数診療しています(活動性肺結核の患者様はご病状によっては結核病床を有する病院に入院して頂く必要があり、その場合は益田赤十字病院や国立病院機構松江医療センターなどへご紹介いたします)。

 

肺がん

呼吸器内科では呼吸器外科、放射線科と協力して肺がんの患者様の総合的治療にあたっております。

肺がんが疑われる病状で呼吸器内科を受診されたときは、気管支鏡などによりがんの細胞、組織の性質を調べがんであることの診断を行います。また同時に脳のMRI検査やPET検査により転移の有無を調べて病期(進行度)診断を行います。

肺がんはがんの種類や細胞の性質、病期によって治療法が異なります。

早期であれば手術、胸部のリンパにがんが及んでいるときは放射線と薬の併用療法、さらに進行してほかの臓器に転移をしていると薬で進行を遅らせてより長く生きられるような治療をすることになります。

肺がんの治療薬には抗悪性腫瘍剤(抗癌剤)のほか癌の増殖システムを阻害する分子標的薬(EGFR阻害剤、ALK阻害剤、ROS-1遺伝子阻害剤などがあります)やがんに対する免疫細胞の力を回復させる免疫チェックポイント阻害剤などがあります。

がんの種類、遺伝子レベルの細胞の性質によって使用する薬の種類や組み合わせが異なります。これは治療ガイドラインというもので取り決めがされておりますが日々進歩、変更されています。浜田医療センター呼吸器内科ではおおむねガイドラインに沿った治療が行えるよう努力しております。

また病状の進行によりがん治療が難しくなった時期の症状緩和や全身状態の維持、個人の生活を大事にする関わりも大切にしております。

 

肺線維症・間質性肺炎、サルコイドーシスなどのび漫性肺疾患

これらの病気は原因、病態についてわかっていないことが多く治療の難しい病気です。間質性肺炎の中にもいろいろな種類があるのですが、簡単に説明すると間質性肺炎とは炎症のために肺が線維化といって硬くなり、これに伴って咳が出たり、酸素欠乏になって息切れが起きたりする病気です。

間質性肺炎の診断と治療については欧米と日本呼吸器学会からガイドラインが出ております。一般的な血液やレントゲン等の検査の他、肺の高分解能CT(HRCT)所見、気管支の内視鏡を用いた気管支肺胞洗浄液検査、肺生検(肺の組織をとって顕微鏡で調べる検査)などを行いガイドラインに準じた標準的治療を行うよう努力しております。

 

気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)

気管支喘息は口と肺をつなぐ空気の通り道である気管支がアレルギー性の炎症と気管支の攣縮(れんしゅく;気管支が痙攣すること)によって細くなり、空気の通りが悪くなって呼吸が苦しくなったり胸からヒューヒュー音がする病気です。

この分野も国際的なガイドラインがあり軽症の患者さんから吸入ステロイド療法を行っております。難治性持続性の患者様もおられ、吸入ステロイドの他、長時間作用型吸入β刺激剤、ロイコトリエン拮抗薬、テオフィリン製剤、経口ステロイド剤などを組み合わせて治療を行っております。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は通常喫煙者に起きる病気です。長年肺に吸い込まれたタバコの煙の有害物質により肺や気管支に慢性的に炎症が起こり、肺と気管支の構造が破壊されます。進行すると歩行時や労作時の息切れが起きてきます。また胸がヒューヒューしたりなど喘息と同様の症状が起きるときもあります。

COPDの進行を止めるためには喫煙の中止が絶対に必要です。浜田医療センター呼吸器内科では禁煙の指導に積極的に取り組み、COPDによる肺機能低下の程度に応じた段階的な薬物療法を行っております。

 

慢性呼吸不全

慢性呼吸不全とは様々な病気によって肺のはたらきが悪くなり、体にとって酸素の足りない状態が慢性的に続くために心臓や体の各所に負担がかかる病状のことです。原因として若い頃に結核性の病気を患ってその後遺症で肺機能が悪くなっている場合、COPDや間質性肺炎等があります。

当院では様々な原因による慢性呼吸不全の患者様に対し、ご病状に応じてHOT(在宅酸素療法)、鼻マスクによるNIPPV(非侵襲的陽圧呼吸)などを行っています。

 

その他

「咳」は肺の病気による症状のうち最もありふれたものでありながら、それを正しく治療するのは意外と難しいのです。むやみに咳止めを飲むのは正しいことではありません。

咳がながびいてなかなか治らないと、皆様「何か重大な病気じゃないか?」と心配になるだろうと思います。2週間以上咳が持続するときはやはり一度医療機関を受診して胸部レントゲン写真をとることをお勧めします。大多数の方は異常はないのですが、結核、肺炎、がんなど病気が発見される場合もあります。長引く咳でレントゲンに異常がない場合は逆に難しく、様々な原因が考えられます。

浜田医療センター呼吸器内科では様々な原因を考えながら、血液検査、喀痰検査、肺機能検査など行ない、耳鼻咽喉科など他の診療科とも協力して咳の診療を行っております。

 

医師の紹介

04呼吸器内科_柳川崇Dr 柳川崇(金沢大学:平成2年卒業)

 

  • 日本内科学会総合内科専門医、指導医
  • 日本呼吸器学会専門医、指導医
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器内視鏡学会会員
  • 日本肺癌学会会員
  • 日本アレルギー学会会員
  • 日本結核病学会会員
  • 日本サルコイドーシス肉芽腫性疾患学会会員

 

No Image 河角敬太(島根大学医学部:平成29年卒業)

 

  • 日本専門医機構内科専門医

 

No Image 貴谷夏州(島根大学医学部:平成30年卒業)