心臓血管外科
心臓血管外科の紹介
浜田医療センターの心臓血管外科は、いくつかの世代を引き継ぎ、30年以上の歴史を積み上げてきました。その間、島根県西部の中隔として心臓血管外科治療を担ってきています。
現在では3名の医師により診療を行っています。対象疾患としては成人心臓病、末梢血管、静脈疾患などおおむね心臓血管全般にわたり、治療が可能です。大動脈瘤に対するステントグラフト治療や静脈瘤に対する下肢静脈瘤血管内焼灼術など体に負担の少ない治療も導入し、治療を行っております。
心臓病は命に危険のある病気であり、その手術も大きなことになります。石見地方では高齢化がすすんでおり、手術自体が無事終了したとしても、その後の生活レベルが落ちてしまうことが大きな問題になっています。独居のかたなども多く、その後の生活の維持が不可能になることもあります。当院では診断、治療からその後まで地元の医療状況に密着したケアを行い、病院内の治療だけではなく、その後の生活の支援や整備まで、地元の利を生かした治療を心がけています。
また、当院での治療が困難な症例やご家族のご希望がある場合は他病院への転院搬送や紹介も行っています。近年では鳥取大学より大学スタッフの手術援助もあり、この石見地方におきましても全国レベルの治療が提供できるように努力をいたしております。今後とも、診断、治療、退院後のリハビリや介護まで、患者様にとって最善の治療戦略をご家族の方とともに考え、力を尽くしていきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
具体的な治療スケジュールの例
下肢静脈瘤(1泊2日)
来院 → 超音波検査 → 手術(1時間程度)→ 病棟
翌日 超音波検査後退院。
ステントグラフト治療
手術前日入院・・・オリエンテーションなど。
手術当日・・・・・約2-3時間の手術
術後1-2日・・・抗生剤などの点滴
術後4-5日・・・退院
内シャント造設術(1泊2日)
来院 → 手術(2時間程度)→ 病棟
翌日 退院。
心臓手術
手術前日入院・・・・・オリエンテーションなど。
手術当日・・・・・・・約6-7時間の手術
術後1-5日・・・・・集中治療室での治療
術後1週間程度・・・・一般病棟へ。リハビリもすすんできます。
術後2-3週間程度
これらは極一例です。特に心臓の手術においては手術内容やその後の経過により大きく変化することがあります。
手術(治療)対象疾患
- 弁膜症:僧帽弁・大動脈弁置換術、僧帽弁形成術、三尖弁形成術
- 大動脈疾患(大動脈解離 胸部大動脈瘤 腹部大動脈瘤):人工血管置換術 ステントグラフト
- 不整脈:心房細動に対するメイズ手術
- 先天性:心房中隔欠損症・心室中隔欠損症
- 心腫瘍:左房粘液腫など
- 虚血性心疾患(狭心症 心筋梗塞):冠動脈バイパス術(オフポンプを含む)
- 末梢動脈疾患:閉塞性動脈硬化症に対するバイパス術、血栓内膜摘出術、血管内治療(ステント・PTA)
- 静脈疾患:下肢静脈瘤(ストリッピング手術、血管内焼灼術)、深部静脈血栓症・重症肺塞栓症
- その他:腎不全(内シャント造設術)
2023年 手術症例件数(1月~12月) 合計221件
医師の紹介
白谷卓
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和田浩巳(島根大学:平成23年卒業)
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樋口達也(鳥取大学:平成30年卒業)
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