診療看護師
診療看護師とは
診療看護師(JNP:Japanese Nurse Practitioner):クリティカルケア領域
診療看護師は、厚生労働省が推進しているチーム医療の一端を担う役割として創設の検討を重ねられている看護師のことを言います。
具体的に、どのような役割を担うのか、簡単ではございますが記載させていただきます。
看護師の役割は、法律で定められています。その役割とは、「療養上の世話」と「診療の補助」であると定義されています。
しかし、現代の医療は高度化、複雑化が進み、一重に「診療の補助」と言いましても、どこまでが補助で、どこからが診療(医師のみが行う行為)なのか、明確にしきれない部分が存在していることも事実です。
このような状況において診療看護師は、厚生労働省関与の下、医師の指示を受けながら、これまでよりも踏み込んだ診療の補助を行います。
すなわち、現状では「診療の補助」としては原則的に認められていなかった行為、例を挙げますと、胃ろうのボタン交換や体腔に留置されたドレーンの抜去などを、指示のもとに行います。また、混雑している外来では患者様に問診をさせていただくことを始め、身体診察、必要な検査の選択などを行い、専門医の診療につなげる初期診療に携わります。
このような役割を担っていけるよう、2年間の教育と訓練を受けて参りました。
日々、何よりも、患者様の安全を第一に考え行動しております。
自身が行います行為に対して、必ず医師と連絡を取り合い、また、医療スタッフの皆様のお力をお借りしながら実施しています。
行為を行うのみに留まるのではなく、なぜこの行為が必要なのかを理解し、行った後の患者様の状態がどのように変化したかを確認できる、経時的な関わりを大切にしております。
診療看護師は医師の指示のもと、これまでよりも行うことのできる診療行為が増えました。
しかし、看護師であることに変わりはありません。これまでのように、患者さんのそばにいる看護師として存在し、そばにいるからこそ分かる少しの変化、異常を察知していきたいと考えています。
そのわずかな変化、異常に対し、必要である医療を医師、医療スタッフの皆様と共に考え、タイムリーに提供していくことで、患者様の療養生活の質をより高めていけるよう努力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
診療看護師になるには
診療看護師(JNP:Japanese Nurse Practitioner)とは、医師と連携を図りながら患者等のQOL(Quality of life)向上に必要とされる医療的介入も自律的に行うことができる看護師と定義されています。
諸外国では40年以上前から診療看護師(Nurse Practitioner)が国家資格として認められていますが、日本では現在、その創設の検討が重ねられている段階です。
国立病院機構は、いち早くこの動きに取り組み、診療看護師の養成をサポート、諸外国診療看護師と同様の活躍の場を提供しています。
資格認定の流れ
- 病院からの推薦を得ること
- 5年間の看護実務経験を有すること
- 診療看護師(Nurse Practitioner)養成課程を有する大学院修士課程(2013年現在、全国に9校あり)に2年間在籍、所定の単位を取得、修了
↓
- 日本NP(Nurse Practitioner)協議会認定試験を受験 合格
↓
- 国立病院機構診療看護師として認定
資格取得サポート
- 国立病院機構研究休職制度の利用が可能
- 大学院在学中の2年間は休職扱いとなり、給料の基本給70%が支給される