【2015年11月】初期研修医2年目このページを印刷する - 【2015年11月】初期研修医2年目

2015年11月27日掲載

向田千夏(H26島根大学医学部卒)

初期研修医2年目 向田千夏

いつの間にか吐く息も白くなり、温かい鍋が恋しい季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 
私は研修1年目を母校島根大学附属病院、2年目は西部の中核病院で研修がしたく当院を選びました。
早いもので浜田に来て半年が経ちました。
研修室には研修医13名と診療看護師2名がおり、志高く、熱い想いを持った仲間から日々多くの刺激を受けています。
 
はじめに、大好きな地元大田市を紹介させていただきます。
島根県東西の中央部に位置し、人口3.6万人、市の花は橙色が綺麗なれんげつつじ、市の魚はひらめ。
浜田市の市の花もつつじであり、三隅公園のつつじ祭りに行けなかったことはとても残念でした。
 
大田市で生まれ、学校帰りは三瓶川で遊び、家族で三瓶山に登り、自然に囲まれた、水も空気も良い環境で18年間のびのびと育ちました。お彼岸にはご近所さんから箱寿司やおはぎ、年末にはかき餅をいただいたりと、家族はもちろん、地域の方々、友人、恩師と多くの出会いに恵まれていたなと感じます。
その後、大都会出雲に進学し、在学中の平成19年7月に石見銀山が世界遺産登録された時にはとても嬉しく、友人に言って回ったことを懐かしく思います。
 
ここまで大田市の話が中心となりましたが浜田での研修についてです。患者さんの症状はいつも軽快とはいかず、思わしくない経過をたどることもあり、喜びと悩みの日々です。
初めてのお別れは当院で経験し涙しました。
産婦人科小児科で女性の強さ、子供の生命力を、消化器内科・外科で“お腹が痛い”の奥深さを、麻酔科で様々な痛みへの対応を、放射線科で画像読影の難しさ、皮膚科では見える疾患だからこその患者さんの思いを感じ、西川病院では患者さんの背景にも思いを馳せながら診療することの大切さを再認識しました。
この半年で多くの学びを与えて下さった患者さん、上級医、コメディカルの方々に感謝しています。
 
さて最後に、皆様は“ らとちゃん”をご存じでしょうか。
ご存じない方はせひとも検索を。
螺灯(らとう)と鉱夫の衣装がモチーフの大田市のゆるきゃらです。
螺灯とは、かつて石見銀山の間歩(坑道)で使われた、サザエの殻に油を入れて火を灯す明かりのことです。
らとちゃんの頭には小さな炎が灯っています。私も、大好きならとちゃんのように、強く優しい“医の炎”を心にと思っています。
いつ頃からか灯った炎が大きくなったり、小さくなったり、ときには消えそうになることもありましたが、多くの出会いで今日も浜田でほんわか灯っています。

 
まだまだ未熟者ですが、いつか地域医療を支える力のひとつになれるよう、日々の出会いを大切に、強く優しい医の炎を灯し続け精進したいと思います。
地域の皆様、ならびに医療関係者の方々、今後ともご指導ご鞭撻の程どうぞよろしくお願いいたします。
(地元大田市を推しましたが、この半年、住みやすい浜田市でとても充実した日々を送っていることを最後に付け加えさせて頂きます。)