【2016年3月】初期研修医1年目
2016年3月30日掲載
沖田聡司(H27島根大学医学部卒)
この原稿が冊子になる頃には少しずつ寒さも和らいでいることを期待している今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。研修医として働くにあたり、故郷の浜田市に帰って参りました。島根大学医学部に入学し、初めて浜田市を離れて6年が経ちましたが、久しぶりに帰ってきた浜田市はなんとなく今までと変わっているようで、でもあまり変わっていないようで、不思議な感覚でした。
浜田医療センターで研修を始めて、もうすぐ1年が経とうとしています。まだまだ力不足な自分に喝を入れながら日々の診療に取り組んでいます。多様な症状の中から原因である疾患を特定すること、そのために必要な検査、実際に使用するお薬など考えること、勉強することは膨大で、学生の頃とは全く違う責任感やスピード感に圧倒され、不安で一杯の毎日でした。指導医の先生方、病院スタッフの皆様、そして何より患者様1人1人に支えていただきながら、不安で一杯ながらも日々頑張っています。
短いながら自分の人生を振り返ってみると、医学科に合格した頃は医師という職業を本当に漠然と考えていたような気がします。大学生の頃の様々な勉強、実習を通じて少しずつ具体的な自分の将来を思い浮かべる様になり、国家試験に合格して、そして今実際に働き始めて、研修医の身ではありますが、医師という職業の難しさ、そしてやりがいを感じているように思います。
先日母校である国府小学校の5年生の皆様に、同じく研修医である前木とともに授業をさせていただく機会がありました。勉強のこと、進路のこと、経験のことなど、自分が何を思い、何を感じ、何を考えてこの道を選んだのかをお話ししました。たくさん失敗もしながら一生懸命働いているという自分の近況なども交えてお話ししましたが、真剣な表情でお聞きいただきました。自分なりに一生懸命やっていくこと、諦めずに続けることが大切だと感じたという感想もいただき、駆け出しの身ではありますが、何か皆様に伝えることができたのかなと思っています。
来年度より出雲市にある島根大学医学部附属病院での勤務となり、浜田を離れることになります。もはや住み慣れた出雲とはいえ、新しい環境、新しい生活に、期待と不安が膨らむ毎日ですが、この浜田医療センターで学んだことや経験を活かして、また新たな地での勤務に励む所存です。今度は1人の「医師」として皆様のお力になれるよう、力をつけて浜田に帰ってきたいと思います。これからも変わらぬ皆様のご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。